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執筆者の写真大輔 新江

片麻痺だけど編み物をしたい。

 右側の麻痺があり右手足が動きにくい状態ですが、編み物や縫い物が出来るようになりますかという、脳卒中による後遺症で右半身に麻痺がある方からのご相談です。

 今回の相談者さまは、コロナ期間中に脳卒中を発症、そのため入院中にも十分なリハビリが出来ませんでしたが、幸いにも脳卒中による後遺症が比較的少なく、書字や箸が使えるので日常生活の支障が少ないという事です。そのため、かかりつけのお医者さまの外来リハビリは卒業になってしまいました。現在はデイサービスでの機能訓練を行なっているのですが、目標である編み物を出来るようになるための機能訓練ではない、もっと目標が達成出来るようなリハビリがしたいということで当施設でのリハビリを希望されました。

 当施設において改めて身体機能を確認したところ、書字は出来るが筆圧は弱く自分の氏名も十分にかけない状態です。箸の使用に関しても食事中に連続して使うことが難しく、最終的にはスプーンを使ってしまうとのことでした。現在の機能訓練は、全身の運動が中心であり、手のリハビリを専門とした機能訓練は全くないとの事でした。

 つまり、現在の状態は、退院時より手を使う頻度、リハビリの量が低下したことにより機能が低下したものでした。潜在的に残っている機能を生かしたリハビリを行なうことで、まずは退院時の状態まで戻すことが先決であるとして、手のリハビリを開始しました。内容は非常に簡単で、ご本人も自宅で続けやすいものになりました。

 潜在的に残っている機能を生かす、思い出す様なリハビリでしたので、一回でも効果は十分に認められ、書字の筆圧も強くなった印象がありました。

 編み物をするには、まだまだ段階的に目標を細かく設定して、一つずつ達成しなければいけないのですが、現状では全く出来ないとは言い切れない、諦めなければ出来ると判断してリハビリを進めて行きます。


 同じようなお悩みがある方はどうぞご相談ください。お答えできる範囲に限りはありますが、出来る限りの知識や経験を元に真摯にお答えしてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

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